留学中に梨状筋症候群になって3週間踊れなくなった時の話

ロシアバレエ留学

Oct. 11 2021


プリヴェット、皆さんこんにちは。
最近は夏がぶり返したように暑くて服装選びに迷ってしまいます。
先日、東日本大震災以来の大きな地震がありましたが、皆さんご無事でしたか?私が住んでいる地域は震度4強でかなり揺れました。本当に怖いですよね。
さて、バレエダンサーは身体を使う仕事なので、身体のケアがとても大切です。もちろん、事前に防げたらそれに越したことはないのですが、実際にケガをすると、日ごろのケア、身体の使い方、解剖学の知識がいかに大切かに気づきます。私自身、大きなケガや故障は少ない方なのですが、一度だけケガで長い期間踊れなかったことがあります。それは、3年前に梨状筋症候群《りじょうきんしょうこうぐん》になった時です。バレエの動作で欠かせない外旋の動き(足を外に回す動作)をするとお尻の横が鋭く痛む症状がありました。初めは大した痛みではなかったのでだましだましレッスンを続けていましたが、そのうち少し爪先を外に向けるだけでも痛むようになり、まともにレッスンができなくなってしまいました。もっと早くから休めばよかったのだと思うのですが、その時校内コンクールが近かった事もあり、レッスンを休みたくない気持ちを優先してしまいました。
症状が悪化し、歩くのも痛くなってしまったので、学校の先生に相談して総合病院の外科に行きました。しかしレントゲンを撮っても特に異常はなく、鎮痛剤をもらって安静にするように言われるだけで、根本的な解決には至りませんでした。日本でも同様ですが、日常生活に問題がないケガや、レントゲンやMRIで確認できないケガの場合、一般の外科や整形外科では安静にするようにと言われて終わることが多いです。故障の原因が身体の使い方にある場合、休んで治ったとしてもまた同じところを痛めてしまう可能性があります。この時すでに歩くのも痛くなってしまっていたので、レッスンを見学することにしました。休んでいてもあまり回復している感じがなく、このまま治るのかという不安やあせり、レッスンすることが出来ないストレスで結構辛かったです。
そんな中、母に日本の整体院に相談してみることを進められ、バレエダンサーやアスリートのための整体院リジック・ボディ・リカバリーの先生にメールで事情を伝えました。先生はとても親身に対応してくださり、オンラインで診察をしていただけることになりました。テレビ電話で痛い箇所や、動作を見せると、基本姿勢の時に骨盤が後傾していることを指摘されました。普段の姿勢の改善や、痛みの原因である筋肉の硬直をほぐすための方法を教えてもらい、実践したところ見事に数日で痛みが減少していきました。回復に向かっていることが実感できた時は本当にほっとしました。
何より身体の使い方を見直せたことで、バレエの上達にもつながったと思います。先生には本当に感謝しています。ケガはしないに越したことはないですが、この時の経験からボディコンディショニングの大切さや、正しい体の使い方を学ぶことができて良かったと思います。やはり身体の専門家に客観的に見てもらわないと分からないこと、知らない知識があり、バレエだけしていても上達しない時は身体の使い方を見直す必要があると実感しました。
もし、今ケガをしていたり、伸び悩んでいたりする場合、一度専門家の方にみてもらうといいかもしれません。自分では気づけないことでも、解決方法が見つかることもあるのではないかと思います。